種子島も夏らしく暑い日が続いています。
関東や東北の方が気温が高く、観光や帰省で種子島へいらした方は
『種子島の方が涼しい~!!』と驚かれます!!
さて今回は、安納芋の育て方についてお話させて頂きます☆彡
☆ウイルスフリー苗を使った栽培☆
私達の畑で育てている安納芋の苗は、『ウイルスフリー苗(バイオ苗)』と呼ばれる特別な苗を使い栽培しています。
鹿児島県立種子島高等学校の生物生産科の生徒さんが、優良系統サツマイモ(バイオ苗)の若い茎の先端部分を
無菌状態で培養し、病気の無い苗づくりを行っているそうです。
種子島高等学校の手がけるバイオ苗は、党内シェア50%を担っています。
私たちは、そのウイルスフリー苗を、自社ハウスにて増殖させた苗を畑に植え付けているのです。
※私たちの畑は、↑バイオ苗とバイオ1年種芋↓を使い栽培を行っています。
前年度バイオ苗から実った安納芋を1年種芋とし、1月~2月にかけて伏せ込みを行います。
ウイルスフリー苗(バイオ苗)を使うことで、収量アップや・内部品質向上(肉色や糖度)・A品率が大幅に向上するなど、
利点がたくさんあるので、農家さんは毎年供給を楽しみにしているのです。
☆ハウス管理と採苗の方法☆
ハウスに種芋の伏せ込みと、挿し苗を行った後は、ハウスの管理を徹底して行います。
①温度・・・昼間30度。夜間20度を目安に、散水作業とサイドビニールの開閉をします。
②病害虫防除・・・防虫ネット等で害虫の侵入を予防します。
③馴化・・・定期的に換気を行い、外気に慣れさせる。
これらを毎日成長を確認しながら徹底して行います。
4月~6月にかけていよいよ採苗が出来るようになります。
株の根元から下2節を残して苗を切ります。
苗は、7~8節に調節をし、切り口から病気が入らないように消毒をします。
2.3日後、節に白い発根が出てきた頃が『植え付けに最適な状態になった』といえます。
※発根が出ている苗は、活着しやすく、育成も順調になります。
この苗を天気の良い日に畑へ植え付けていきます(^^♪
雨の降る日に植えるのは厳禁です!!
活着せずに腐れて苗を抜き捨てることになります(/_;)
植え付け方にも3種類あり、
私たちは、水平植え・斜め植えで植えていきます。
上記の様に水平植えになるほど芋の生長に違いが無く、芋の揃いが良くなります★
ただ、水平植えは意外と疲れます(笑)!
数時間後には、腰が伸ばせなくなってしまうので、斜め植えも取り入れながら
丁寧に植え付けをしていきます(^^)/
苗を植えた後に土を手のひらで強めの力で押して苗が動かないようにするのもポイントです!
☆畑の管理作業☆
植え付け完了から8月中旬までの間は、雑草と害虫予防をしていきます。
1時間に一回は水分補給をしながら、今の時期は暑さと戦っています!!
お芋のツルが生い茂ると雑草も生えにくいのですが、
一本一本丁寧に抜き取りしっかりとお芋に栄養が届くように頑張っています♪
露地の種子島ゴールド(ムラサキ芋)の140日以上で掘り出し。
マルチを張った畑は、おおよそ120日以上で掘り出し。
露地の畑だと、おおよそ140日以上を目安に掘り出しの計画を立てます。
※坪掘り(試し掘り)をして、土の中のお芋がどのくらい大きくなったのか確認をしながら
掘り出し日の調整をします!
☆いよいよお芋掘り☆
8月下旬~いよいよお芋掘りが始まります。
ツル払い機でお芋のツルを払い落とし、
浮かし堀り型の掘り取り機でお芋を掘り出していきます。
※私たちが使用しているマルチは、農業用生分解性マルチというもので
畑に漉き込むことで土壌中の微生物により分解されるので、
剝ぎ取りが不要になります。
掘り出したお芋は、丁寧にはさみでツルから切り離し、土を落としすぎないように注意しながら
傷が付かないように優しくコンテナに入れて貯蔵庫へ運びます。
※土を落としすぎないようにする理由は、コンテナに入れて運ぶ際
振動などでお芋同士が傷を付けあわないようにする為と、
極度の乾燥を避けるために 敢えて土を少し残すようにしています。
☆掘り出し時の注意点☆
①掘り取りは必ず晴天時に行い、皮むけしないように注意する!!
②8月~9月の日射の強い時期に長時間日光にさらすと、芋の日焼けを起こし
腐敗の原因となるので芋つる等で日射を防ぐ。
または、日差しの少ない時間帯に掘り出しを行うようにする。
③降雨中または降雨直後の収穫は、糖度の低下や皮むけ・腐敗発生の原因になるので絶対行ってはいけない。
安納芋や、種子島ゴールドは10度以下では腐ってしまうので
収穫は必ず年内に終了するようにしています!!
一度収穫に遅れ、12月下旬の寒い日にお芋を掘ったことがあります。
その日は霜が降りていたので、お芋が冷凍焼けの状態になり、
すべて廃棄処分しました。
それ以来、遅くても11月下旬には掘り出しが終わるように徹底しています!
☆貯蔵作業☆
前回の記事にも記載させて頂いたので簡素化させて頂きます(^^)/
・呼吸熱が発生する為、十分に換気をし室温を適温にする。
・13度~15度の温度で80~90%の適湿を保つ。
・10度以下の低温で腐敗し、15度以上が続くと萌芽する為、注意する。
・病害芋は素早く除去する。
上記の点に十分注意しながら、お芋の熟成を待ちます。
貯蔵庫への保管は、掘り出した場所・日にち・品種ごとに
貯蔵場所を分けて出荷の際に完熟したものをスムーズにお届けできるよう管理しています。
☆糖度検査の徹底☆
安納芋ブランド推進本部へ加入し、甘さ(ブリックス)検査をお願いしています。
合格した畑のみに使用が認められている『安納いもブランド認証シール』を発行していただきます。
こちらのシールが張られた甘~いお芋を皆さんにお届けしています。
もしも不合格してしまったら??
その時は、数日~数週間程 追熟させて再度、糖度検査をおこないます。
☆選別と出荷☆
お芋の熟成が進むと出荷に向けた選別作業を行います。
土を落とし、良品/規格外の見分け作業、サイズごとに選別を
丁寧に慎重に行います。
いよいよ出荷をします!お芋のツルと尻尾をカットし、傷や皮むけをしないよう
最後まで丁寧に箱詰めします。
☆安納芋の販売時期☆
種さんでは、毎年9月の上旬に安納芋の予約を開始しております。
11月から随時発送開始予定です(^^)/
販売終了時期は、毎年変動があるので随時ホームページをご確認頂くか、
お電話・メールにて確認をお願い致します☆
この記事をまとめると↓
・ウイルスフリー苗!?
・ハウス管理と採苗
・暑さとの戦い!管理作業
・いよいよお芋掘り
・掘り出しの注意点
・貯蔵がカギ!
・糖度検査で甘い芋
・選別と出荷と販売時期